その真実、白日のもとに
闇丸の元をそっと抜け出す蒼。
夜空を見上げ、だが瞳は冴えない。



「・・・・・・」

みいな
「で、ちゃんと言えた?」


「・・・・・・、ううん、まだ」


久しぶりの再開だ。
やっと手にしたぬくもりだ。
さすがにすぐきりだすのも難しいだろう。


みいな
「このまま、消える?」


「そんなのやだよ!」


蒼が小さくなった原因。
それは単なるわがままからの幼児化では
なかった。

闇丸の元へ通うことが増えたことによる
死都への守護の減衰は火を見るより明らかだった。
みいなと蒼の半々で持たせていたバランスの崩壊。

死の世界との境界が歪み、
負の力はじわじわと死都を汚染していった。

本来そこに無いはずの冥界への門。


死んでしまった都の跡地故に引き寄せられたのか
本来から生まれる要員があったのか
偶然にできてしまったのか、
なんにせよ
死都の神殿の奥には、冥界への『穴』が開いているのだ。


みいなと蒼は
その穴をふさいだ門を守るべく
『彼』に託されて死都にいるのだ。


『彼』は恐れていた。
冥界からこの世界へと手を伸ばすあの存在を。



その門を破るべくあの厄災が動き出す。



みいな
「ただの減衰じゃないんだよ、このままじゃ
 蒼自体の存在があぶないんだよ。
 赤子になって死んでしまう。
 それだけじゃない」


「・・・わかってる。
 みいなだって、もう・・・!」


蒼の頬に涙が伝った。
自分のわがままから度々死都を離れ、
さらに自分の意思を死都から離し
一層闇丸に想いを寄せた事によって
(ヤキモチをやいてしまったことで)
『厄災』の付け入る隙を与えてしまった。

『厄災』は蒼を歪ませた。
力の減衰という歪みは
蒼の見た目を幼き少女に変えてしまった。
力だってその分失われていった。
みいなはその分、過大な負荷を余儀なくされた。


二人で抑えていた『門』。
一人で抑えきれるものでは、到底ない。


みいな
「死都の為にも、気持ちに決着つけておいでと私はいった。
 で、どうなの? 会ってみて」


「・・・・・・ごめん・・・なさい!」


泣きじゃくる蒼。
でもその結果はみいなには十分にわかっていた。


死都よりも、
愛する人を選んでしまうことを。



みいな
「ちゃんと、話しといで。闇さんに」


「・・・うん。みいな・・・」

みいな
「ん?」


「・・・・・・愛してる!」

みいな
「わかってるよー」



ふふっとわらいながら、
通話を切断する。

死都の魔素が、だんだんと濃くなっていく。

みいな
「・・・・・・、さて、どうしたものか」


蒼は闇丸の元へ行くことを選んだ。
迫る『厄災』。
『厄災』は滅する事のない
根源の存在。
死、そのもの。

みいな
「撃退・・・、しかないよなぁ」


さらなる結界を張るものの
門は軋み歪んでいく。



みいな
「蒼には幸せになって欲しいもの。
 ・・・・・・私だけでもなんとかするしか!」



ほんの少し、友人である彼らの助力を期待しつつも
ここは己の問題だ。
みいなはゆっくりと身を起こした。


満身創痍の、その体を。





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蒼は闇丸へ告げに行く。
自分の減衰の正体を。
減衰を撃退するには、蒼に巣食った『厄災』の芽を
取り出し、潰すしか方法はない。

おそらく、それができるのは、
闇丸だけだろう。

--闇をもって闇を払う。

失敗すれば即座に蒼も消える。



すまないね闇さん。
ちょいと、たのむわ。
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by mi-nasou | 2010-07-21 12:24 | 会話
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