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死都・決戦~序章~
死都の決戦を描いていこうと思います。

ですが、みいなの今の一人の力では無理なので
ヒロトさんとの共同作業で戦いの様子をお送りしたいと思います!

ヒロトさんに多大な感謝を!!



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死都・決戦~序章~



日は暮れようとしていた。
じわじわと空を闇が覆い、あたりは暗くなっていく。


「はぁ、はぁ・・・」


蒼という片腕を失ったみいなは
厄災の力に押され、神殿を弾きだされ、廃墟の街をも追い出されていた。
今いるのは停滞の庭園。
死都の一番南端にある、庭園だ。
これ以上の撤退は、この戦いの敗北、すなわち
この死都が厄災に飲まれる事を意味していた。


「負けらんないんだけど、なぁ!」


印を結び、気を放つも、もうほとんど限界だった。
本当は、少し力は残っていた。
だが、その残してある魔力は
厄災を再び追い返したあと門を閉めるためのものだ。
ココで使うためのものじゃない。
もう一つ奥の手があるにはあるのだが、
それは使えば最後、の切り札だった。


「・・・でも、約束があるからなぁ」


『彼』を思い出し、もう一度立ち上がる。



『彼』とは
死都のかつての主、闇竜のホーラだ。
彼と約束したことはただひとつ。
この死都を、守りぬくことだった。



「ホーラ・・・。あの切り札、使うときが来そうだよ」



蒼が居ないということは
『闇を払う役目が居ない』ということだ。

ある程度弱らせ払えない限り、
みいなの封印の力は使えない。
それに、あの強すぎる魔素の中、
蒼は耐えられてもみいなは耐えられないだろう。



ならば、自分で魔素を払うしか、ない。



「ホーラ・・・、いまそこその力が必要だから!」


素早く印を結び、封じていたモノを解き放つ。
死都に溢れる厄災の闇の力を押しのけ、
みいなの手から別の闇が溢れ出す。


「ドラゴンッ、モーーーーード!!!!!!」


変化はその指先から始まった。
手が肘から黒い闇に覆われ竜のそれに変わる。
足先も同様に変化し、血に濡れた黒い翼が背の皮を破りバサリと空気を打つ。
頭から4つの角が生え、
それはまるでーー


「・・・・・・結構しんどいな。これ行使するのは」


人竜。
それは、
人と竜の友情の結晶ともいうべき、
究極の姿だった。


みいなの変化を感じ取ったのか、
厄災が神殿の奥で唸りを上げる。


絶望的な死が、目の前にあった。


だが。




「みいなーーーーーーーー!」




聞き覚えのある声に、顔を上げる。
「か・・・カナメ!!!!」





絶望の戦いに、光が見えた。
by mi-nasou | 2010-07-23 13:32 | 死都・決戦
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